真空ポンプの運転と真空度の測定

真空ポンプで真空引きを行う場合には、真空度の測定が不可欠です。それは、所要の真空度を得る目的と、高真空系では油拡散ポンプやターボ分子ポンプの運転開始のタイミングを与える目的とがあります。超高真空系以上では、イオンポンプの動作開始のタイミングも知る必要があります。

真空度は真空計によって計測されますが、その代表例はピラニーゲージです。これは、金属線フィラメントの電気抵抗値が、真空度が高くなるとフィラメントの熱が気体の対流や熱伝導によって逃げにくくなることから上昇することを利用したものです。通常はブリッジ回路を用いて、検流計の触れによって真空度を測定します。

ガイスラ管は、真空度の高低によって放電の様子が視覚的に異なることを利用して大まかな真空度を知る目的で用いられますが、精確な数値を測定するのには向いておりません。

電離真空計は、昔の3極真空管のように正負の電極間にグリッド電極を設けた構造で、グリッド電圧が一定の時、真空度が高くなると電子の平均自由行程が長くなって電極間を流れる電流が増大することを利用したものです。

イオンポンプでは、真空度が上がりますと正負極間の電圧が上昇しますので、それを利用して真空度を知ることができます。

泡抜きとしての活用

普段の仕事で研磨作業を行っているので、真空ポンプは欠かせない存在になっています。
どのようにして真空ポンプを活用しているのかですが、私の場合は【脱泡】作業に用いています。
普段の仕事では、依頼主からお預かりしたサンプルを内部構造等を調べるなどの目的で、断面から観察してみたいという要望があると研磨を行うことがよくあります。
研磨を行う際にはサンプルをそのまま削っていくのが一番効率的なのですが、サンドペーパーとサンプルが擦れ合って削れていく過程で、
サンプルに細かいパーツが色々と付いている場合などには削られる時の衝撃でパーツが取れてしまうことがあります。
これを防ぐため、サンプル全体を樹脂で覆って固めてから研磨を行うことで細かいパーツの脱落を防ぐことができます。

使用する樹脂には、2種類の液を混ぜ合わせると固まりはじめる性質があるのですが、混ぜるときに泡が数多く発生してしまうことがあります。
泡が残ったままの液でサンプルを覆ってあげようとしても、泡が邪魔をしてサンプルの細かい隙間までしっかりと液が浸透していかなくなってしまいます。
この時に、混ぜ合わせて泡が発生してしまった液を真空ポンプをつないだ容器の中に静置し、真空引きしてあげることで、液の中に発生してしまった泡を脱泡してあげることができます。
こうして脱泡した後の液でサンプルを固めると、隅々までしっかりと覆ってあげることが可能になります。

ロータリーポンプは油回転真空ポンプの代名詞

大学や電子専門学校の真空工学やデバイスプロセス工学などの授業で最初に習う真空ポンプは油回転ポンプです。なぜなら、油回転ポンプは到達真空度こそ低いのですが、高真空・超高真空・極高真空雰囲気を作り出す場合でも、一番最初に行う粗引きに欠かせない基本的な真空ポンプだからです。

油回転ポンプは、回転翼型ポンプ・カム型回転ポンプ・揺動ピストン型ポンプの三酒類に分類されますが、これらはどれも自動車のロータリーエンジンに良く似た構造をしていることで共通しています。このことから、ロータリーポンプが油回転ポンプの代名詞的に用いられます。排気速度が高く、安価で扱いやすいことがロータリーポンプの利点です。

回転翼型ポンプ(ゲーデポンプ)はこの中でも小形で到達真空度が比較的高い(1ミリパスカル程度)ので、最も広く用いられています。単にロータリーポンプと言えばこの回転翼型を限定して言うこともあります。カム型回転ポンプの真空度もゲーデポンプと同程度ですが、こちらはやや大形なので、用途は少し限られます。揺動ピストン型ポンプは大形で振動が激しいので、さらに用途が限定されます。

真空ポンプとはどんなものでしょうか

真空ポンプという言葉を聞いた事はありますか。文字通り真空状態にする為のポンプです。
最近の歯医者さんでは、口の中の唾液等の吸引を真空ポンプを応用したホースの様なものでしています。

歯医者さんに行って、経験した事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。真空ポンプには、ドライポンプやロータリーポンプやターボポンプ等様々な種類があります。
実際どんな事に使っているのでしょうか。

フロンガスの収集や医薬品にも使われています。インスタントコーヒーやカップラーメンの具にも使われているのです。
内部を真空にできるポンプですので、よくお弁当についてくる醤油入れに醤油を入れたり、歯磨き粉のチューブに歯磨き粉を詰める事に使われています。
我々が日常目にするものの多くに使われている事がわかったと思います。

エアコンの取り付け工事にも使われています。
この様に真空ポンプは、本当に様々な用途に使われているのです。ある意味、とても生活に必要なものを作る為に必要不可欠だと言えるのではないでしょうか。

気体を液化して真空を作るクライオポンプ

熱力学の授業では簡単のために理想気体という仮想的な気体を用いています。この理想気体は温度を下げるとそれに比例して体積が減少し、絶対零度ではその体積がゼロになります。

しかし、実在気体では絶対零度になる前に液化しますから、体積がゼロになることはありません。その性質を利用すると気体の圧力を下げることができます。この原理を利用する真空ポンプがクライオポンプです。

クライオポンプは完全オイルフリーなポンプですので、大変にクリーンな真空雰囲気を作り出すことができます。また、広範囲な真空度で動作させられる利点もあります。ただ、除去した気体を溜め込むタイプのポンプですので、定期的にそれらを放出させる作業が不可欠です。

クライオポンプには冷熱源が必要になりますが、その温度によって吸着できる気体が異なりますので、通常は80Kと10Kの二種類の冷熱源が用いられます。前者は77Kの液体窒素で簡単に作れますが、10Kには液体ヘリウムを冷媒としたクライオスタットが必要になります。

このクライオスタットが10K附近まで到達するのに1時間以上かかるのが欠点です。またその原理上、水素・ヘリウム・ネオンのように飽和蒸気圧の高い気体の除去には不向きで、それが問題となる場合にはクライオソープションポンプが用いられます。

真空ポンプ開発のために必要な技術

真空ポンプと言いますと、大半の人は機械を想像されるでしょう。確かに、ロータリーポンプやターボ分子ポンプのように、回転力を用いて真空を作り出すポンプが最も一般的であることは間違いではないのですが、真空ポンプは必ずしも機械的な構造をしているものだけではありません。

超高真空雰囲気を作り出すゲッタ・イオンポンプなどのように、物質の吸着を原理としたポンプもありますので、特に先端技術に応用することの多いこうしたポンプの開発には、機械工学以外の技術が必要なのです。

真空技術は、まず気体分子運動論や状態方程式などの物理学の基本から始まります。次いで、気体分子の統計的分布など、統計力学の素養も求められます。これは機械工学の範囲を超え、応用物理学や電子通信工学の分野です。

気体分子同士の衝突についても、一般物理学よりも深く理解することが求められます。一部のゲッタ・イオンポンプでは電子銃を用いることがありますので、電子と分子との衝突の理論についても学ぶ必要があるのです。

このようなことから、特に最先端の真空ポンプの開発には、物理工学や電子工学の技術を持った人材が不可欠となります。

真空ポンプの用途を考える

今回は真空ポンプの用途について考えてみたいと思います。
真空ポンプについてあまりなじみがないと思いますので、簡単に説明させていただきます。真空ポンプというのは、ある容器の中にある空気を排出して、容器の中を真空にする装置です。ではなぜ容器の中をわざわざ真空にするのかと言うと、容器の内と外の気圧差を利用することで何かを吸い込んだり、物を吸盤のように吸着して運んだりするためです。

さて、このような働きのある真空ポンプですが、工場などでよく使われています。以下に例をご紹介いたします。
まず何かを吸い込んだりする用途では、スーパーの食品売り場で良く見かける真空パックにするために使われます。袋の中の空気を排出して真空パックにすることで、食品に触れる空気がなくなり腐りにくくなります。

次に物を吸着する用途としては、工場の製造ラインで薄くて壊れやすい部品を吸着して壊さずに移動させます。
以上、真空ポンプの用途について説明させていただきました。

真空の業界では、油回転式真空ポンプが一般的

真空の状態が普通に見られるのには、平滑で面積の広い板物(例えばガラス板)を、2枚合わせて垂直方向に剥がそうとすると、初めは剥がれないでくっ付いてきます。 
此れは2枚の板の隙間が真空状態になるため剥がれないんですね。
それでも、次第に隙間に空気が入ってきて、つまり、初めは減圧された状態になり、更に、通常の空気が入り込んだ時に、剥がれて落ちます。

真空ポンプは、この減圧状態を作るためのポンプです。
空気中には、つまり、大気中の成分比率は窒素78%,酸素21%,他に二酸化炭素などとされています。真空ポンプでは、この中に含まれている窒素や酸素の割合を減らしてしまうのです。
つまり、この二つの気体が減った分だけ真空になったといいます。真空の割合ともいいますね。

このように、真空を造り出すのに真空ポンプが必要で、いろいろな業界で使用されています。 
一般的な真空ポンプは「油回転真空ポンプ」といわれるものです。
このポンプは油、オイル(潤滑密封オイル)を上手に利用していて、回転用と密封用との二つの要素が使用できていて、回転部の動きを滑らかにしたり、真空にする為の高い排気性能を実現し、更に、大氣の侵入を防ぐ為のオイルシールの役目をしているのです。

即ち、大気圧から高真空領域まで能率的に作動できるポンプの一つで、高真空、排気性能が安定して得られる信頼性の高いポンプといわれます。